Hitorigoto

ひとりごと

茶室見学

勉強と資料収集

現在茶室のある住宅の図面を書かせていただいております。当然茶室など手掛けたこともなく、資料なども手持ちとしては少ないので、お施主さんに茶会としても使える茶室を貸し切りにしていただいて、いろいろと勉強をさせていただいてきました。
TOPにある画像は茶室に行くまでの通路です。本格的な茶室ではもっと手水鉢や待合もありますが、公共の建物でしたので作りこんだお庭でした。やはり建築にはお庭は切っても切れない存在だなと痛感しました。

本題の茶室です。やはり空気が違います。作りこんだ感じはなく、素朴な感じではありますが建築になんだか緊張感があります。言葉ではなかなか説明できませんが、建築に緊張感があると、奥深さが感じとれるように私は思っています。
普段建築では、枠のサイズを揃えたり、高さを揃えたり綺麗に美しくなることを考えたりします。しかし、茶室はいたって「ラフ」です。曖昧と言うかなんというか・・・。でも決して「雑」な感じはしないです。これはなんでしょう?天井高さも1.88mしかなく、広さも京間の4.5帖です。この小さな小さな空間はやはり別世界でした。今回は大変勉強になりました。

外へ出て気づきましたが、屋根がムクっていました。写真ではわかりにくいですがほんのりムクリ屋根でした。
普段ムクリ屋根を設計していると、ムクリの半径はかなり気を遣っています。今回の茶室のムクリは私としてはかなり攻めていると思います。多分10人のうち何人が気づくだろうか。個人的には目指すはこういったところですが、施主側に立つと折角だからと言う意見も当然です。実は「可哀荘」以降少しづつ半径を緩くしています。当然、屋根勾配方向のスパンと屋根間口などのバランスを考慮していますし、どの位置から一番屋根が見えるかなども検討します。屋根は近くから見ると勾配が緩く見え、離れてみると急に見えます。
しかし毎度毎度試行錯誤です。答えのない数学を解いているようです。でもものすごく楽しいです。こんなすばらしい機会を与えていただいたお施主さんにも感謝・感謝でございます。