Hitorigoto

ひとりごと

地域観光について思うこと

寺院設計をして徒然に

宝角建築アトリエは納骨堂の設計をさせていただいて、現在庫裡と事務所を設計させていただいております。
住職との打ち合わせの中でお寺の世界のことやこれからのお寺の在り方、地元への貢献なども聞かせていただき大変勉強になりました。
お寺では境内でフルコースをいただいたり、秋の紅葉をライトアップして楽しんでいただいたり、西尾の抹茶を飲みながらお庭を見ていただいたり、お寺としての地域への貢献を熱心に提供されていると思います。そこにおもてなしの精神を大きく感じていました。
そんな中でお寺が地域観光の一員になれるのではと強く感じました。当然お寺だけでは継続的な観光にするには限界があります。
幸いなことに、お寺は日本全国にありますし、そこの地元の食材もあればレストランもあるでしょう。そしてきっと旅館もあるでしょう。
今あるお寺や神社、飲食店、宿泊施設を活用しながら市町村の協力を合わせればも、しかすると何か出来るかもしれないと感じています。決してコストを使ってコンテンツを作るのではなく既存の地元の良いものをチョイスすればまだまだ地元も知らない、地元の魅力があるように思っています。

※境内ではこんな素敵なお庭が楽しめます。

※一方向だけではなく境内全体を楽しんでいただけます。

お寺は都市部では境内も限られていますが、それ以外のところでは広く魅力的な境内があります。しかも歴史も古い。
メンテナンスのことを考慮して、コンクリートやアスファルトで固めて駐車場になっているとものすごくもったいなく感じてしまいます。お寺の仕事に関らさせていただいてから、そんな風にふつふつといろんな可能性を感じるようになりました。
実績のない私には絵にかいた餅でしかありませんが、可能性は非常にあるように思います。
観光の世界でも、ちょっとした心がけはおもてなしとして大切なことではないでしょうか。おもてなしはお金にならないと言われますが、それだけでは割り切れないものがそこにはあるように思います。そしてそれは外国人観光客にとってはかけがいのない体験になるように思います。その結果として将来「おもてなし」に価値が付いてくるように思います。
日本は有名な観光地以外の地域がほとんどです。その中で観光を考えていくことはなかなかむつかしいことだと思います。ただ、人の流れを作り、地元のいいものをみんなが考えていけば観光としての流れが出来てくると思います。そして長期的にお寺としての地名度と観光地としての知名度が徐々に広がってくるように思います。
お寺や神社でしかできないこと、飲食店でしかできないこと、役所でしかできないことそして、設計でしかできないことがそれぞれあります。
「絵にかいた餅」にならないように「餅は餅屋」で出来うることを出来るプロが考えて、実現できる機会が出来ると少しは地域も変わるのではないのでしょうか。
そのなことを徒然に考えた名もなき設計士のたわごとでした・・・。