Hitorigoto

ひとりごと

設計と共にお寺の認知の為に考える事

お寺の稼働率を考える

 

〇日/365日

建築士として納骨堂や庫裡の設計をさせていただいていますが、残念ながら設計だけではお寺の認知にはつながりません。それはホームページを作ったからと言って閲覧数が増えないのと同じことです。それならば設計をする意味がないように聞こえるかもしれませんが、そう言う意味ではありません。先ほどホームページの事を書きましたが、ホームページも魅力を知って頂く場所としては絶対必要ですが、そこに訪れて見て頂かないと何も意味がありません。建築やお庭も魅力ある場所を作る意味では絶対必要だと思います。そしてその魅力的な場所に訪れて頂く術は設計と同じように重要な任務として私は捉えています。この観点からすると今のお寺の稼働率は365日のうち何日稼働しているのでしょうか。これはお寺としての仕事をしているかどうかの意味ではなく、地域の拠り所としてしっかりと利用されているかと言う意味です。たとえ数人でも境内を訪れることがあればこれは十分稼働していると思います。大多数のお寺は法事やお盆、お彼岸の時期が実際稼働しているのではないでしょうか。これだと60日/365日くらいではないでしょうか。私はこれを大幅に解消できないかと思っています。

お寺を認知してもらえるイベントを考える

現在私が設計にかかわらせていただいているお寺では、ホームページの事やロゴマーク、印刷物なども関わらせていただいています。それと合わせてお寺の方とイベントも一緒に考えるようにしています。一般的にイベントと言って思いつくのはマルシェではないでしょうか。規模の大小はあるにしてもマルシェが出来ることは地元で不特定多数の方にお寺を知ってもらえること、小さいことかもしれませんがお寺の境内に足を踏み入れて頂けることは大きな一歩だと考えています。しまし、私はマルシェの主催者でもないですし、出展者でもありません。私が関われるのは来場者目線でお寺の認知につながる事を見極められるかだと感じています。

現在のマルシェを考える

マルシェが世間に認知され10年以上になると思います。これは私が様々なマルシェに客として訪れて感じたことですが悪い意味でビジネス化してしまったように感じます。SNSも発展した現在では個々で人気のマルシェではなく、個々に人気のお店が特出して、そのお店目当てのお客さんがたくさん訪れてその結果マルシェ自体の来場者も増えて、結果人気のマルシェになっている様に思います。主催者側も「面白い」「魅力的」なお店でもインスタのフォロアーが少ないとちょっと出店に躊躇してしまうのではないでしょうか。分かりやすく言うと人気のなるお店100店のうち30~40店舗をローテーションで様々なマルシェに出店している感じで、結果出店者は場所はどこでもよくて店舗を持たないお店の安易な露店に感じています。主催者からするとやりたい事とやらないといけない事の乖離があるか、お金儲けと割り切っているいるかのどちらかではないかと思います。10年前のまだまだマルシェの創成期ではあった「熱量」のベクトルが変わっているように思います。

お寺とマルシェの相互関係

お寺側が一番期待していることは、そのお寺をしっかりと認知いただけることです。そして若い世代だけではなく広い世代にお寺を知って頂くこと、そしてマルシェが無くてもお寺に訪れて頂けるようになることと思っています。私はマルシェの主催者にはたくさんの来場者があることはありがたいが、来場者が少なくてもその方々がお寺を感じて頂ける事を優先して欲しいとお願いしています。このことはもしかするとマルシェと言う日本での文化を再構築する意味でも、もう一度マルシェの本質を見極まる時期かもしれません。

お寺で開催する意味

私はマルシェはどこで開催されても良いと思っています。ただ、お寺で開催するのであれば世代が偏らない事を意識したいと思っています。お寺でなにかイベントをするとご高齢の方の参加に偏っているように感じます。やはり親・子・孫の世代間の行き来が出来るイベントをすることで、下の世代からすると上の世代を「敬う」と言う感覚が芽生えますし、上の世代も下の世代との交流は「若返る」きっけになると感じています。お寺ならではの異世代交流の場として、自然発生的にお寺に集える「場」を設計を通して提供できたらと考えています。