Hitorigoto

ひとりごと

開口部について

宝角建築アトリエの考える開口部
宝角建築アトリエではメインとなる部屋には大きな開口部を設置しています。そしてデッキで軒下空間を作り、お庭も計画します。一般的には開口部は南や東が多いのではないでしょうか。すると大きな開口部が道路に面していることも多いかと思います。私どもは道路側に大きな開口部があると塀や植栽で中が窺い知れない様にします。それは折角大きな開口部があってお庭もあるのにレースのカーテンをするのはもったいないと思うからです。また、通常開口部はアルミサッシを使われることが多いですが、極力木製ガラス戸を採用しています。そしてガラス戸には開く引き戸と開かない嵌め殺し戸があります。開くところには網戸とカーテンが、そして開かないところにもカーテンが付きます。網戸は空調を使っているときは使用しませんし、日中の明るい時間帯ではカーテンも使用しないことがほとんどです。長々と書きましたが、何が伝えたいかと言うと、お庭を見たい時にカーテンや網戸やそれに付属する部品で景色を遮りたくないということです。
トップに載せた画像はガラス戸を閉めている状態です。当然網戸も閉めていません。私どもはできる限りこの状態を保ちたいと考えています。

こちらの画像はガラス戸を開けた状態です。トップの画像とほとんど違いはありません。ガラス戸には四方に木枠がありますが、開けた時に隣の柱に隠し、上下の枠も床と上部の枠で隠れるようにしてあります。

続いての画像はガラス戸を開けて網戸を下した状態です。網戸は天井の中に隠してあり、網戸の枠も柱と木枠の間に隠してあります。網戸の下枠だけ見えていますがそれ以外は目立たないように隠してあります。一般的に網戸は引き戸が多く、ガラス戸を開けていても閉めていてもどこかに見えていることがほとんどかと思います。私はそれを解消するために隠すことが出来るデザインにしました。

ちなみにこちらが最後で、カーテンを閉めた状態です。この画像を見てトップの画像を見ていただくとよく分かると思いますが、カーテンを使用していない時もカーテンの存在は分からないと思います。我が家はお庭にライトアップはしていませんが、もしライトアップするともっと違いがよく分かると思います。日常の中で絶対必要な網戸とカーテンですが、使うシーンで邪魔に思うことがないように私たちはデザインしています。宝角建築アトリエは住宅で一番大事な要素は使い勝手だと思っています。ただ、使い勝手を優先しすぎてデザインが疎かになることがないようにと考えています。そこで重要になってくるのが機能と意匠の両立だと思っています。
私の自邸は見学をしていただくことが出来ますので、開口部のことや建物の空気感なども感じていただけると思います。ご興味のある方は是非一度体感いただければと思います。