Hitorigoto

ひとりごと

普元寺庫裡起工式

起工式と地鎮祭

 

昨年より進めておりました、普元寺庫裡の起工式がこの日、執り行われました。
画像は竣工予定のパースになります。
住宅建築の場合、一般的に地鎮祭と呼びますが神社より神主さんにお越しいただき執り行っていただきます。
対して起工式は今回のようにお寺より住職に執り行っていただきます。言葉の違いが明確かどうかは私の知識不足ですが、概ね神前と仏前の違いのように思います。

寺院設計とのかかわり

今回の庫裡の設計にかかわるおよそ3年前に納骨堂の設計に携わることになりました。
納骨堂の設計にあたって、納骨堂と言う機能以外に地域の方々が自由に使うことの出来る小さな休憩スペースを求められました。
しかし、完成して実際使われているところを見るまであまり想像が出来ていませんでした。
私は普元寺さんの設計をさせていただくまで、お寺は檀家さんの為のものと認識しておりました。実際、姫路の私の実家の隣もお寺でしたが、檀家ではない私は一度も境内や本堂に入ったことはないです。

 

これからの寺院運営

普元寺さんの住職は設計のスタート時から、お寺は地域の人の憩いの場でありコミュニティーの場でないといけないとお話しいただきました。
設計打ち合わせでお寺に伺うと、小学生が境内を通学路のように通り、大座敷に上がって宿題をやったりまるで昔の寺子屋のようでした。
それ以外にも写経教室があったり、落語会を催したり、境内でマルシェを開催したり・・・。地域とのつながりを強く感じました。
今後お寺の文化と言うものは衰退するかのように言われていますが観光業とうまくマッチすれば、地域の発展にも貢献できる重要なコンテンツのように感じました。

 

新しい試み

今回普元寺さんでは庫裡とは別棟でフリースペースを作ります。そこではこれからいろんな仕掛けを作って地域に発信できると思っています。大きな石デッキテラスも作り、自由に境内を散策いただき、ところどころ休憩する場所を作って季節の移ろいを感じていただけると思います。
それは決して地域の方や檀家に向けたものだけではなく、寺院関係の方にも深く知っていただき、お寺のこれからの在り方を少し考えていただくきっかけになればと考えています。

 

 

起工式を終えて

起工式のこの日は、ちょうど境内にある桜が満開でした。
建築工事と合わせてお庭も整えて、竣工予定の秋には紅葉で地域の方々をお迎えしたいと思います。
今回町並みとしてのスケールは小さいかもしれませんが、建築を通して町並みや地域への貢献を考えることは非常に勉強になりました。
また次の何かの役に立てれるように、頑張っていきたいと思います。