開口部とお庭の関係について
宝角建築アトリエではメインとなるお部屋、住宅で言うならLDKに大きな開口を計画します。
その開口の外に軒下空間となるテラスを設け、お庭屋さんに庭の計画をお願いしています。
トップに載せた画像は現在の姿です。竣工して9年目となります。文中に載せた画像が竣工当時で、まだ添え木もあり境界側のフェンスも未施工です。いかがでしょう、かなり緑も成長して自然な緑になっていると思います。
お庭が建築に、特に住宅に必要と思うのはこの自然の成長を感じ取れることと、想像以上の「シーン」を生んでくれることです。例えば鳥が水浴びに来たり、ムクドリが巣を作ったり、水盤に反射した光が軒下にゆらゆらと映ったり。日常の生活に小さなサプライズをどんどん作ってくれます。そんなちょっとした非日常が日常に取り込んでくれる魅力がお庭にはあります。
当然、良いことばかりではありません。緑があるということは、好まらざる虫もたくさんいます。雑草も生えますし、数年に一度剪定も必要です。デメリットも挙げればもっとあります。しかし、そんなデメリットを大きく上回るメリットがそこにはあります。またお庭があると、テレビなど見なくても、音楽さえあれば至高のひと時に変えてくれます。
ちなみにフェンスは鉄製、デッキは御影石となりますが、これは私が再塗装したり10年後くらいに必要となる木のメンテナンスが嫌だったので、メンテンナンスのかからない鉄と石で作りました。しかも鉄も錆止めも塗らずそのままです。おかげで赤さびで覆われた鉄フェンスが背景となって、手前の緑が良く映えていて私は結構好きです。
宝角建築アトリエはお庭の大小にかかわらず、LDKに大き目な開口部を設け、その外にお庭を作りお客さんにとってかけがえのないワンシーンを見つけて欲しいと考えています。